DATABASE
論文・資料検索
詳細検索
  • 縮小
  • 拡大

安全

日本の交通事故死傷者数減少のため、さらなる安全対策を講じるべく、2011年3月に、内閣府より第9次交通安全基本計画として、2011年度~2015年度までの5年間に講ずるべき交通安全に関する施策の大綱が定められました。
その第9次交通安全基本計画の中で、特に自動車に関係する道路交通の安全の冒頭に、交通事故死者数を2015年までに3,000人以下とし、また、死傷者数を70万人以下とする目標が示されています。また、対策に対する視点としては、「高齢者及び子供の安全確保」、「歩行者及び自転車の安全確保」、「生活道路及び幹線道路における安全確保」の三つが挙げられており、それらの視点を中心に検討が進められております。
JARIにおいても、それらの視点を考慮し、安全対策に向けた試験・研究を進め、交通事故死傷者数および交通事故数の削減に貢献していきたいと考えています。

具体的には、第9次交通安全基本計画の死傷者数削減の目標に向け、高齢者、交通弱者(歩行者、自転車)対策の視点からの研究を重点課題と捉え、新たな試験・研究ツールや試験方法の検討を進めています。

  • 事故メカニズム解明には、ドライバー特性の把握等に活用するJARI-ARV(拡張現実実験車)の開発をはじめ、模擬市街路やドライビング・シミュレータを用いた運転支援や交通弱者対策のための試験を進めています。
  • また、高齢者特性把握のための高齢ドライバーのドラレコ・データ取得や、被害軽減のためのインパクトバイオ研究では高齢者対策も含めた個体差モデルの開発も進めています。
  • 自動車アセスメントの試験法改定に向けては、予防安全装置(AEB:Autonomous Emergency Braking、LDW:Lane Departure Warning>)や歩行者脚部保護の調査研究を実施し、試験方法の可能性可否を検討しています。
  • さらに、統合安全検討や事故実態把握のための医工連携のプロジェクトも進めています。

主な研究分野

主な試験項目

「衝突安全」に関わる試験業務では、乗用車やバス・トラックをはじめ、二輪車や自転車など、様々な車両の衝突試験や、チャイルド・シート評価や追突時の保護性能評価などの台車(スレッド)試験、歩行者保護のための頭部や脚部のインパクター試験などを担当しています。さらに、部材やコンポーネントの衝撃試験なども行っています。関連設備としては、衝突実験場、HYGEスレッド衝撃試験装置、歩行者保護試験装置や落錘衝撃試験装置などです。

①実車衝突試験

試験車両を所定の速度で牽引し、コンクリート壁をはじめとした各種バリア(平面、斜め、オフセット、ポール)へ衝突させる前面衝突試験の他、側面衝突や後面衝突、二輪車、自転車対車、歩行者対車などの事故を再現させるための試験も行なっています。また、特殊試験場を利用した道路構造物の衝突評価試験等も実施しています。

②台車(HYGEスレッド)衝撃試験

台車衝撃試験は、気圧式の衝撃試験装置を利用して台車上に設置した供試品に衝撃を与えて本体の強度や安全性能を評価する試験です。当研究所における主な使用状況は、チャイルドシートの安全性評価試験、自動車用シートの鞭打ち低減効果の評価試験等を実施しています。

③コンポーネント試験

車体の構成部品単位で衝突安全性を評価するコンポーネント試験があります。この試験には、実際に衝撃を与える動的試験と一定荷重をかけた場合のひずみや変形の度合いを確認する静的試験に大別されます。当研究所では、前者の動的試験を多く実施しており、自動車のバンパ、ボンネットに対して、歩行者が衝突した場合の安全性を評価する試験のニーズが高まっています。

「予防安全」に関わる試験業務では、「走る」「曲がる」「止まる」のための自動車の基本性能の評価であり、ブレーキ試験、視界・灯火器、タイヤ試験など、また、車両運動から運転支援のシステムまで、様々な試験実施に対応しています。関連設備としては、模擬市街路、ドライビングシミュレータやタイヤ試験装置などです。

④自動車操縦安定性試験

自動車の基本性能である「走る」「曲がる」「止まる」といった車両運動に関連する評価試験や自動車の登録に必要なTRIASの制動試験、ステアリングロボットを使用した機械入力による横滑り防止装置の評価試験、さらにタイヤに関連した様々なタイヤ特性試験も実施しています。

⑤交通事故低減に関する調査及び社会貢献業務

模擬市街路やドライビングシミュレータを使用した事故の再現実験を行い、事故メカニズムの解明、対策を行っています。また小学生を対象に道路交通の危険場所を調べ、危険マップの作成、実車を用いたり、実験を伴う体験型の交通安全教育をボランティアの皆様の協力を得て実施しています。

⑥機器管理・校正、プログラム開発

前記の各種試験を実施する上で必要な加速度計や荷重計などのセンサ類、データを記録するレコーダ類、そしてダミーと称される人体模型等の維持管理、校正といった面にも力を入れています。同時に、各種計測の精度向上や関連するソフトウェアの開発も行っています。

歩行者頭部保護衝撃試験の一例
歩行者頭部保護衝撃試験の一例

小学校での安全教育実施風景
小学校での安全教育実施風景

▲ページトップへ