ITS共通車載機に関する調査研究
   ITSは交通流の円滑化等による省エネルギー・二酸化炭素排出削減に寄与する重要な技術として位置づけられており、温暖化や異常気象等、地球環境問題への関心が高まる中、経済産業省は省エネルギー効果の高いITSサービスの実用化を促進し自動車産業のエネルギー・環境対策の促進に貢献する「エネルギーITS」の推進に着手しつつある。
 民間においても、インターネットITS協議会等がビジネスを志向したシステム開発、導入を検討しているほか、国土交通省が推進するスマートウェイ構想が民間におけるDSRC(狭域通信)応用サービスの普及を牽引することが期待されている。

 今後のITSサービス導入に際して、これまでどおりにサービス毎に専用の車載機を開発したのでは開発コストがかさみ、サービスの導入やシステムの将来的な拡張、車載機の普及等に悪影響を及ぼす可能性がある。ITSの円滑な発展と普及を可能にするためには、今後導入されるさまざまなITSサービスにも対応できる車載システムの開発が必要である。

 本調査研究は、さまざまなITSサービスに共通して利用可能な「ITS共通車載機」とも呼ぶべき車載システムの姿を明らかにすることを目的とする。
 そのため、まず、今後導入が予想されるITSサービスを調査し、それらのサービスに必要となる車載システムの機能や要件、実現技術等を抽出した。
 つぎに、抽出した機能や技術を体系化するとともに、重要技術を選定して技術マップを作成した。
 さらに、重要技術項目の実現方法等について検討を行い、技術開発のロードマップを作成するとともに、「ITS共通車載機」の機能構成や技術課題を明らかにした。

(1)ITSの導入シナリオの検討
 IT新改革戦略等によって国土交通省、警察庁等が導入を検討しているシステム、及び市場ニーズ・社会ニーズに対応して今後2015年から2020年頃までに導入が予想されるシステムの概要や要件等について、それらシステムの導入を実現するためのマイルストーンを含めて時系列的に整理し、導入シナリオ、展開チャートを作成した。

(2)技術マップの作成
 ITSの導入シナリオに基づいて、サービスを実現するために車載機に求められる機能や技術的課題、要素技術等を俯瞰するとともに、その中で重要技術を選定して技術マップを作成した。

(3)ロードマップの作成
 重要技術の実現方法について「ITS共通車載機」に求められる機能や要素技術等の進展を時間軸上にマイルストーンとして記載し、ロードマップを作成した。