研究事業について

水素社会構築共通基盤整備事業

水素社会構築共通基盤整備事業

燃料電池自動車の大量普及を目指し、一層の安全性と利便性の向上を目指し、水素燃料仕様や性能評価標準試験法ならびに、高圧水素容器・車両・インターフェイス等の安全規格・基準等、燃料電池自動車に関連する国際標準化に資する研究を進めています。

主な研究活動

FCV用水素燃料品質規格

水素中に水素以外の不純物が含まれている場合、燃料電池の性能が低下する可能性があります。水素中の微量な不純物の種類や量が燃料電池の発電性能に及ぼす影響を、JARI標準セルを用いて定量的に評価し、燃料電池自動車用水素の品質規格策定に必要なデータを収集しています。得られた結果をもとに、燃料電池自動車用水素の品質規格を提案し、これを基に現在TS(Technical Specification;技術仕様書)が発行されています。
水素を民生用に大量普及させるためには、都市ガスやLPGで使われるような漏れ検知用の付臭剤の適用も求められてきます。しかしながら、従来の硫黄系化合物の付臭剤では、燃料電池の発電性能への影響が大きく適用できません。そこで、燃料電池性能への影響が小さい新たな付臭剤の探索・評価を実施しています。

FCV用水素規格(ISO/TS 14687-2), 2008年3月発行

JARI標準単セル

JARI標準セル

電極触媒、電解質膜などの燃料電池材料の試験結果を横並びで評価するためには、企業や研究機関でデータを共有化できる共通の試験用セルが必要となります。また、試験用セルと実際に使用される大面積、多積層のスタックとの相関を明らかにしておくことも重要です。セルの性能評価結果に及ぼす要因を解析し、材料評価のための標準セル(JARI標準セル)を提案するとともに、再現性の高い試験結果を得るために必要な前処理条件、試験手順等を策定しました。

HNEI(Hawaii Natural Energy Institute)-JARI
単セル性能クロスチェック

FCV燃費試験法の開発・標準化

本事業において、質量法、圧力法、流量法による各水素消費量測定方法を開発し、FCV燃費試験法をISOに提案し、国際規格の発行に貢献しました。

燃料電池自動車の火災・衝撃安全性評価

世界初の耐爆性を有する屋内での火災試験を可能とする設備や高圧水素を充填する設備および水圧によって容器の強度を把握する設備を有する水素・燃料電池自動車安全性評価試験設備(Hy-SEF)を建設し、車両火災試験や高圧容器の火災暴露試験を実施するとともに、高低温環境における圧力サイクル試験や高圧容器に水素を急速に充填する試験などを実施し、国内基準の改訂や国際標準策定に資するデータ取得に取組んでいます。

車両火災試験(車両底部温度把握)

圧力サイクル試験後の破裂強度に及ぼす環境温度影響
(試験条件:設定回数 11,250回、22,500回、45,000回 上限圧力サイクル試験、VH4 容器)