開催日時 : 2005年3月10日(木)、2005年3月11日(金)
開催場所 : パシフィコ横浜
講演会

図1 講演会

会議センター1階メインホールで、基調講演とJHFCプロジェクト活動報告、パネルディスカッション、特別講演を含む講演会がおこなわれました(図1)。
以下に、主要講演の概要を箇条書きでご報告いたします。 なお、詳細はJHFCセミナーレポートを参照ください。

 

基調講演

21世紀のエネルギーと水素
(新エネルギー財団 会長 山本幸助氏)

活動報告の冒頭の基調講演では、水素を現在の電力に代わるエネルギーのコモンキャリヤーと位置づけ、JHFCプロジェクトのような活動の重要性がアピールされました。
また、エネルギー問題に関する政府の取組み強化が求められました。

平成16年度JHFC活動総括

実証試験推進委員会 委員長 東海大学 教授 神本武征氏

JHFCプロジェクトの活動総括として、全ワーキングのまとめが紹介されました。平成16年12月時点の燃料電池自動車走行試験では、一般を含め約50台の燃料電池自動車のうち、13台の乗用車と2台のバスが実証試験に参加しました。
燃料電池自動車の延べ走行距離は184,000km、水素供給量は6780kgに達したと報告しました。
燃料電池自動車(乗用車)については、10・15モード走行時の燃費、並びに公道走行時の燃費をガソリン車やハイブリッド車と比べた結果、燃費性能の高さが示されたと指摘しました。

水素ステーション建設・運用状況

水素ステーションワーキング 主査  佐賀大学 教授 門出政則氏

東京、神奈川地区で10箇所のステーションを運用し、燃料電池自動車に水素を供給しています。
各ステーションで供給する水素中の不純物は低濃度で燃料電池自動車に適する性状であることを確認しました。
愛・地球博の瀬戸会場に、製鐵COG水素活用と、都市ガス改質の2基のステーションを建設し3月に開所しました。
今後ステーションに共通する課題を引き続き抽出すると同時に、 昨年度完了出来なかった流量計精度の検証などを継続し、来年度の成果にまとめることが発表されました。

自動車領域・試験結果

運用・データ検討自動車領域ワーキング  主査 慶応大学 教授 石谷久氏

燃料電池自動車の走行燃費データ(平均値)を、国内で初めて公表しました。
車両重量あたりの平均燃費をガソリン車と比較し、10・15モード値で23.8km/リットルと2倍以上の改善効果を立証しました。
現時点で最高技術を投入したトップランナー車の場合31.0km/リットルと3倍に達する優位性を初めて裏づけました。
燃料電池自動車はガソリン車に比べ、全ての車速域で2倍前後の燃費となりました。

総合効率検討結果

総合効率検討特別委員会 委員長  慶応義塾大学 教授 石谷久氏

平成16年度は公表データによる「エネルギ換算表」「燃料定数表」「効率データ表」を完成し、最終年度の平成17年度に、 実証試験における燃料電池自動車燃料消費率、 水素製造工程のエネルギー効率をインプットしたWell to Wheelの総合効率を試算し公表する計画であると発表しました。

パネルディスカッション

今後の実証試験のあり方 ~将来の水素社会実現に向けて~

実証試験推進委員会副委員長でもある、慶応義塾大学石谷久教授がモデーレーターを務め、パネラーには、プロジェクト参加企業の自動車業界から、トヨタ自動車とGM、エネルギー業界から、新日本石油、岩谷産業が出席し、コメンテーターとして経済産業省資源エネルギー庁燃料電池推進室 安藤晴彦室長にも登壇頂きました。
4社のショートプレゼンテーションの後、 現状での細やかな問題点から長期的なビジョンまで踏み込んだ論議が行われました。

特別講演

セミナー2日目は初の試みとして特別講演を設けました。 内容は日本、米国、欧州政府の取組みと、米国、欧州、アジア、豪州など海外の実証試験の紹介を日本国内向けにするものでした。
日本政府(経済産業省)からは、定置用燃料電池を始め、燃料電池の多様なアプリケーションの可能性や、燃料電池導入のシナリオが紹介され、平成17年5月設立予定の燃料電池先端基盤技術センター(仮称)への期待も熱く語られました。
米国政府(エネルギー省)からは、水素社会実現に向けての長期計画の紹介がありました(図2)。

Timeline for Hydrogen Economy(DOE)

図2 Timeline for Hydrogen Economy(DOE)
二日間に渡るセミナー講演資料は、第3回JHFCセミナーレポートで全てご覧頂けます

屋内展示会

プロジェクト参画企業協力の下、説明パネルの他、複数の燃料電池自動車、カットモデル、水素ステーション関連部品、水素供給ディスペンサー実機などの展示が、会議センター3階特設会場にておこなわれました。
講演会と並行して開催されたが、終始客足が途絶えることなく、熱心に係員の説明に耳を傾けている来場者の姿が目立ちました(図3)。
日本自動車研究所も展示ブースを設け、燃料電池自動車安全評価試験棟の紹介をおこないました。
破裂試験に供された水素タンクの展示はインパクトが強く、燃料電池自動車の安全対策において、水素漏洩対策、延焼防止が不可欠であることを訴求しました。

中でも注目度が高かったのは、セミナー開催直前に発表されたばかりの日産の自社開発FCスタックでした。 新開発のセパレーターを使用したもので、700気圧高圧水素タンクと一緒に来場者の注目を集めていました(図4)。

屋内展示会

図3 屋内展示会

日産FCスタック

図4 日産FCスタック

屋外展示会

今回初の試みで「燃料電池バスで行くテクニカルツアー」と題し、屋外特設会場でJHFC相模原水素ステーションと、JHFC青梅水素ステーションの二種類の移動式水素ステーション見学会をおこないました。 燃料電池バス試乗会と一体になったこの見学会のフローは以下の通りです。
事前登録した参加者は、会議センター玄関よりトヨタと日野が共同開発したFCHV-BUS2に乗車、みなとみらい近隣約2kmコースを試乗し、バスの特徴や、技術について説明を受け、質疑応答をしている間にバスは屋外特設会場へ到着、下車後見学をおこなうというものです。
今回展示した移動式水素ステーションは、25tクラスのトラックに搭載されたもので、JHFC相模原水素ステーションのアルカリ水電解水素製造装置1基、 JHFC青梅水素ステーションの都市ガス改質水素製造装置と供給設備の夫々1基、計3基でした。 これらの設備は見学する機会が限られているため参加希望者も多く、セミナー参加者全体の3割強、約260名が参加しました(図5)。

屋内展示会

図5 屋外展示会