FCV最前線第6回 カートや車いすへ、広がるFCVの可能性
クリーンなエネルギーとして年々注目が高まっている燃料電池。2007年2月7~9日に東京ビッグサイトで行われたFC EXPO 国際水素・燃料電池展では、多くの関連製品メーカーが一堂に会し、たいへんな賑わいを見せました。その中でわれわれJHFCが注目したのが、クリモト(栗本鐵工所)が出品した、“燃料電池電動カート”と“燃料電池車いす”です。高齢化社会を迎え、需要が増大することが見込まれるこの分野には、自動車メーカーだけでなく今後もさまざまな業種の企業が参入してきそうです。その開発の経緯をうかがってみました。
1 大阪の老舗鉄工所がなぜ燃料電池車を?
2 燃料電池のメリットが大きく生かされる分野
3 価格が下がっていけば、乗用車よりも普及は早い?

大阪の老舗鉄工所がなぜ燃料電池車を?

山室成樹さん大阪は住之江市に本社を置く株式会社栗本鐵工所は、1909年に創立といいますから、もうすぐ100年を迎えます。水道管やガス管といった社会インフラの基盤を整える金属製品の製造から、ゴミ処理プラントといった環境事業まで、幅広く手がける企業です。そのクリモトが燃料電池分野に目を向けたのは2002年のこと。そのきっかけは「公共事業削減など、官需から民需へという時代の流れが大きいですね」と、担当の山室成樹さんは語ってくれました。

「この先、公共事業に頼っていてはやっていけないという危機感が企業としてありました。そこで新しい事業を模索していたところ、燃料電池という、クリーンな次世代のエネルギーに着目したんです。もともと金属・材料系は得意ですから、金属セパレーターなど燃料電池のコア技術に自社のノウハウが生かせますしね。今まで水道管やガス管など、生活に密着した製品をずっと製造してきましたから、さらに“生活とエネルギー”をキーワードに新しい事業をやっていこうと」

燃料電池電動カート
サイズ:1190mm(L)×660mm(W)×1060mm(H)
動力:250W燃料電池&Ni水素電池(ハイブリッド)
燃料電池:24V 250W PEFC・空冷式・外部加湿
搭載水素量:100g(ボンベ2本)
連続走行時間:5時間
最高速度:6km/h
重量:97kg
燃料電池車いすIV
サイズ:1040mm(L)×600mm(W)×940mm(H)
動力:250W燃料電池&リチウムイオン電池(ハイブリッド)
燃料電池:24V 250W PEFC・空冷式・外部加湿
搭載水素量:190g(ボンベ4本)
連続走行時間:10時間
最高速度:6km/h
重量:93kg

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