知りたい!くるまのこと「くるま学園」

締めないなら乗るな(シートベルトの話)

シートベルトとは?

よそ見をして歩いていて、電柱か何かにぶつかった経験はありませんか。たいそう痛い思いをされたことでしょう。もし走っていてぶつかったら、痛いだけではすまなかったでしょう。それでは、時速50キロのスピードでぶつかったらどうなるでしょうか。おそらく即死でしょう。実は、シートベルトをしないで車を運転していて衝突事故に遭うと、車のなかでこれと同じことが起こってしまうのです。

自分の車に殺される

時速50キロで車がコンクリートの壁に衝突したとします。車は瞬時に停止しますが、なかに乗っている人は50キロのまま車のなかを移動し、つぎの瞬間、車のどこかに衝突して止まります。このとき、ハンドルで胸を強打したり、頭でフロントガラスを突き破ったりするわけです。場合によっては、後席に座っていたお子さんが車内を空中遊泳し、フロントガラスを突き破って車外に放り出されることもあります。多くの事故では、自分の車に衝突して怪我をしたり、死んだりしてしまうのです。

衝突前 衝突後
  • 衝突で車は止まるが、人は止まらない。
  • その結果、人は車内のどこかに激突してしまう。
  • それを防止するのがシートベルト。

車はシートベルトを締めることを前提に作られている

この場合、シートベルトをしていればどうでしょう。人は車のシートに固定され車と同じ動きをしますので、少なくとも車のどこかに衝突することは避けることができます。いまの車は前部と後部をつぶれやすくしてあり、ここで衝突時の衝撃をやわらげるようにつくられています。このような衝撃緩和効果の恩恵にあずかるには、 シートに体を固定しておかなければなりません。この固定装置がシートベルトなのです。最近の乗用車では、時速50キロでコンクリートの壁に衝突したときでも、頭や胸、大腿部に重大な傷害が発生しないような衝突安全性能が法律で義務づけられています。もちろん、このような衝突安全性能は、あくまでもベルトを締めることが前提になっています。

エアーバッグはシートベルトの補助装置

シートベルトに勝る安全装置は残念ながら今のところありません。自分の車はエアーバッグ付だからシートベルトなんかしなくても大丈夫と言う方が大勢いますが、これは大きな間違いです。エアーバッグはあくまでもシートベルトの補助装置です。エアーバッグの蓋(たとえばハンドルの中心部とか助手席前方のインスツルメントパネル)をご覧ください。「SRS」とか「SRS AIRBAG」と書いてあるはずです。SRS、つまりSupplement=補助 Restraint=拘束 System=装置なのです。主拘束装置はもちろんシートベルトです。シートベルトを締めていても、なおハンドルやダッシュボードで顔や胸を打つ場合があり、これをさらに軽減させるための装置がエアーバッグなのです。エアーバッグはシートベルトと一体になって効果を発揮するように作られています。ですから、シートベルトなしでエアーバッグだけを作動させると、条件によっては、かえって危険なことになる場合もあります。エアーバッグ付の車でも、必ずシートベルトを締めなければなりません。

後席の人が加害者になる?

後席でシートベルトを締めている人はまだまだ少ないようです。後席に座った人もベルトを締めなければ怪我をしたり死んだりします。そればかりか、後席の人が飛ばされて前席の人に激突し、前席の人を傷つけてしまうことさえあるのです。いまの車には後席にも前席と同じ3点式ベルトがついています。これは飾りではありません。加害者にならないためにも、後席でもベルトを締めましょう。