自動車の衝突時の乗員安全性能を把握するためには乗員の代用物が必要不可欠です。
代用物になる人形を通常“ダミー”と呼んでいます。ダミーは、衝突試験の種類によって異なるものを使用します。
ダミーには頭部、胸部、腹部、脚部などに加速度計や荷重計が組み込まれており、衝突した場合の、加速度と荷重のデータを測定し、更に衝突した時のダミーの挙動を高速度ビデオカメラで撮影して、人体がどのような衝撃を受け、どのような挙動をし、その結果どのような傷害が発生するのかを解明することができます。
JARIで行われている主な衝突試験、衝撃試験は前面衝突試験、側面衝突試験、チャイルドシート試験などです。

| 名称 | Hybrid-III |
|---|---|
| 国籍 | アメリカ |
| 年齢 | 成人男性 |
| 身長 | 約175cm |
| 体重 | 約80kg |
自動車の前面を衝突させる前面衝突試験には、自動車の前面を壁に衝突させるフルラップ衝突試験、車半分を衝突させるオフセット衝突試験、 電柱を模擬したポール柱衝突試験などがあり、これらの試験における乗員保護の評価にHybrid- III 50パーセンタイル成人男性ダミーが使用されています。この他に、Hybrid- III 5パーセンタイル成人女性、95パーセンタイル成人男性、3歳児、6歳児ダミーなどがあります。
自動車の側面を衝突させる側面衝突試験には、米国の側面衝突試験、側面ポール柱衝突試験と欧州の側面衝突試験(ECE)などがあり、これらの試験における乗員保護の評価に米国製のDOT-SID、SID/H III 、欧州製のEuroSID-1がそれぞれ使用されています。この他に、Bio-SIDダミーなどがあります。
「SID」とは、「Side Impact dummy」の頭文字をとったものです。

| 名称 | Euro SID-1 |
|---|---|
| 国籍 | オランダ |
| 年齢 | 成人男性 |
| 身長 | 約170cm |
| 体重 | 約72kg |

| 名称 | Dot SID |
|---|---|
| 国籍 | アメリカ |
| 年齢 | 成人男性 |
| 身長 | 約170cm |
| 体重 | 約76kg |
チャイルドシートの安全性を評価するための子供ダミーには、その大きさからP3/4(9カ月)、P1・1/2(18カ月)、P3(3才)、P6(6才)、P10(10才)、VIP3C(3才)、6カ月、新生児などがあります。

| 名称 | 6カ月 |
|---|---|
| 国籍 | 日本 |
| 年齢 | 6カ月 |
| 身長 | 約67.0cm |
| 体重 | 約7.8kg |

| 名称 | P3 |
|---|---|
| 国籍 | オランダ |
| 年齢 | 3才 |
| 身長 | 約98.0cm |
| 体重 | 約15kg |
ダミーは、衝突・衝撃試験において人間の代わりをしてくれる測定器です。自動車が衝突した際の乗員(人間)と同じような挙動をさせるために身長、体重、関節の動き、各部位の硬さなどが同じようになっていますが、人間の動きとは異なります。
現用のダミーの問題などを踏まえて、より人間の挙動に近付けた次世代のダミーの研究・開発が進められています。