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手放しで車が走る(シャシダイナモメータ)

シャシダイナモメータとは?

今日の日本経済を突きあげたと言っても過言ではない車も、テールパイプから出る排出ガスのこととなると少々肩身が狭い思いをせざるを得ません。
昭和40年代半ばに、都内の学校で起こった大気汚染が原因と見られる集団被害によって、自動車排出ガス規制の強化が要望されました。そして、乗用車については、世界一厳しいとされた昭和53年度規制に引き続き、平成12年度にも新規制が実施されるに至り、日本車=最もクリーンな車のイメージを獲得しました。 さて、この自動車排出ガス規制ですが、これは、規制値と試験法とを定めて実施されるものです。

次から、排出ガス試験に使用する試験装置と排出ガス試験法についてを述べます。

シャシダイナモメータの概要

シャシダイナモメータは、図のような構成になっています。

シャシダイナモメータ機構(一例)

シャシダイナモメータは、図のように、自動車の駆動力を道路に相当するドラムを介して動力吸収装置で吸収します。各装置の主な役目は、次のとおりです。

  1. ドラムは、無限の平坦な道路に相当し、駆動力をドラム軸の回転力に変えます。
  2. フライホールは自動車の慣性質量に相当する回転慣性質量を与える装置です。
  3. 動力吸収装置は制御装置の指令により種々の走行抵抗を実現させます。
  4. 増速機は、フライホールと動力吸収装置のサイズを小さく設計することを可能にしています。

シャシダイナモメータの設備仕様(一例)

シャシダイナモメータ
車速 200km/h 車両質量 FF 454~5443kg
最大軸荷重 40kN FR  
吸収馬力 220kW 駆動馬力 200kW
ローラ
材質 Fe 直径 1219.2mm
ローラ幅 975mm ローラ内間隔 800mm
回転速度 870rpm ローラ表面仕上 平滑
フレックダイナモメータ
形式 FEB-DNR 吸収/駆動 220/200kW
回転速度 435/870rpm (100/200km/h)
枠番 ROD400MDV 概算質量 7ton
慣性補償範囲
方式 全電気慣性補償 機械固定慣性 1134kg
電気慣性 -680~+4309kg 合計慣性範囲 454~5443kg
エンジン冷却ファン
形式 ターボファン 風量 1260m3/min
風速 2~120km/h 吐出口寸法 W900×H700
駆動電動機 可変速 IM)55kW

日本の排出ガス試験

日本の排出ガス試験の走行モードには、11モードと10・15モードの2つがあります。

10・15モードとは?

10モードはゴーストップの多い市街地をサンプリングしたものですが、最近では都市内の高速道路やバイパスなども整備されているので、 燃費をより現実に近づけるために案出されたのが10・15モードです。右図のように前述の市街地パターンの10モードを3回繰り返した後、高速パタ[ンの15モードで測定します。 その結果10・15モード燃費は10モード燃費より軽乗用車で7%、小型・普通自動車で10%程高くなります(自動車工業会調べ)。

図:11モードのパターン

図:10・15モードのパターン

まとめ

排出ガス試験には、今回ご紹介した「車両で行うシャシダイナモメータを用いた試験」のほかに、「エンジン単体で行うエンジンダイナモメータを用いた試験」があります。 皆さんの愛用されている車も、このようなシャシダイナモメータによって排出ガス試験され、排出ガス規制値をクリアしたクリーンな車であると言えます。