
高級車から軽自動車まで,自由に走り回れるのは,燃料である”ガソリン”と”軽油”があるからです。では,その”ガソリン”と”軽油”は,どのように作られているのでしょうか?実は,”ガソリン”と”軽油”は,原油を精製して作られています。原油はガス体や個体のワックス分まで含む混合物なので,それらを分離するために蒸留装置で加熱して蒸発させます。さらに,ある温度範囲の蒸気を回収することによって,”ガソリン”と”軽油”が精製されていきます。ガソリンの蒸留温度は約30~230℃,軽油は約140~380℃です。
このようにして作られた”ガソソン”と”軽油”ですが,気候や使い方によって品質が変わるという特徴があります。
皆さんもご存知の通り,ガソリンは”レギュラーガソリン”と”プレミアムガソリン”の2種類です。一方,軽油は,品質の異なる5種類からなります。石油メーカーでは気候と使用する地域によって,5種類の中から最適なものを出荷しているのです。

人間にたとえるならば,エンジンは身体,”ガソリン”と”軽油”は食べ物にあたります。私たちも,美味しいものを食べれば体調も良くやる気も出ますが,傷んだものを食べれば体調を崩します。エンジンも同様です。燃料の品質はJIS規格で決められており,JIS規格に適合している燃料を販売しているスタンドでは,”SQ(Standard Quality)マーク”を掲げています。ガソリンスタンドに行ったとき,SQマークを探してみてくださいね。
| 実用性能 | 測定項目 | 要求性能 |
|---|---|---|
| アンチノック性 | オクタン価(RON、MON) | 混合気の温度が圧縮により、高温・高圧になっても自己着火してはいけない。 |
| 適度な揮発性 | 蒸留性状、蒸気圧 | 夏の高温状態でも極寒の中でも、容易にガソリンを霧化させることができる。 |
| 貯蔵安定性 | 酸化安定度、実在ガム | 燃焼により堆積物ができない、燃焼室内に蓄積されない/燃料タンク内で変質、変色しない。 |
| 耐腐食性 | 組成分析、銅板腐食 | 燃料系統に錆や汚れが発生しない。 |
| 実用性能 | 測定項目 | 要求性能 |
|---|---|---|
| 自己着火性 | セタン価、蒸留性状 | 低温でも自己着火できる。 |
| 適度な流動性 | 動粘度、流動点、曇り点、目詰まり点、蒸留性状 | 夏の高温状態でも極寒の中でも、水のようにサラサラになったり、氷のように固まらず、適度な流動性を持つ。 |
| 耐腐食性 | 組成分析、銅板腐食 | 燃料系統に錆や汚れが発生しない。 |
ガソリンスタンドでガソリンを給油するとき,「レギュラーですか?ハイオク(プレミアム)ですか?」と聞かれますね。このレギュラーガソリンとプレミアムガソリンの違いは,何だと思いますか? 答えは,「オクタン価の違い」です。オクタン価とは,ガソリンの(エンジン内での)ノッキングの起こりにくさを示す数値です。我が国のJIS規格では,レギュラーガソリンのオクタン価は89以上,プレミアムガソリンのオクタン価は96以上と定められています。
オクタン価は高いほど,
1.馬力がアップする
2.燃費が向上する
3.応答性が向上する
4.高速道路走行での追い越し加速がスムースになる
などの効果が期待できます。
しかし,レギュラーガソリンの使用を前提に設計されたエンジンに,オクタン価の高いプレミアムガソリンを使用したからといって,すぐに効果が現われるとは限りません。多くの車は,プレミアムガソリンを使用しても,それを感知して効果が出るようにするための点火時期などのコントロール機能を持っていないからです。一般論として,過給エンジン搭載車(ターボ車)は,無過給エンジン搭載車に比べ,ノッキングに対する条件がより厳しいため,プレミアムガソリンの効果が現われやすいとされています。
あまりなじみのない言葉かもしれませんが,軽油の性能を示す数値のひとつにセタン価があります。セタン価とは,軽油の着火のしやすさを表すもので,数値が高い方が良い燃料といえます。その他に,
1.始動性がよい
2.排出ガスがきれい
3.馬力がアップする
4.燃費が向上する
5.エンジンがスムースで,音も静か
などという効果があります。
軽油は5種類に分類されますが,セタン価はJIS規格で45以上,高グレードの場合は50以上とされています。また,添加剤を混合することでセタン価を向上させた軽油を,プレミアム軽油として販売している石油メーカーもあります。
大気保全を目的として,自動車排出ガスを今までよりもきれいにするよう求められています。現在,燃料と排出ガスは密接な関係にあるため,国,自動車業界,石油業界が協力して,燃料とエンジンの両面から排出ガスをよりきれいにするために研究が進められています。その結果,現在では排出ガスがよりきれいなエンジン,より高品質な燃料が販売されていますが,品質の向上を目指して今後もさらに研究が進められるでしょう。また,自動車からの二酸化炭素の排出量を低減するため,バイオ燃料やそれに対応する自動車の研究も進められています。しかし,使うのは私達です。どんなに良いものでも,使い方によっては,その性能が発揮されません。
たまには地球環境を考え,ゆっくりと走ってみませんか?