走っている自動車の速度を下げたり、停止させたりする時には、ただブレーキペダルを踏めばよい。ここでは、ブレーキ装置のしくみや役割、ブレーキをかけた時に車はどのようにして止まるのか、などについて考えてみましょう。
一般の乗用車では、ブレーキペダルを踏む力(ペダル踏力)はブレーキ液の液圧に変換され、ブレーキ機構に伝達されます。伝達された力によって、ディスクブレーキの場合にはパッドがディスクに、ドラムブレーキの場合にはブレーキシューがドラムに押し付けられます。このとき、パッドとディスクの間、あるいはシューとドラムの間にすべり摩擦が生じ、この摩擦力によって車輪の回転速度が下がります。すると、今度はタイヤと路面との間にすべりを生じ、このすべりによってタイヤと路面との間に力(制動力)が発生し、車は速度を落とし止まるのです。

このようにブレーキ装置は、タイヤと路面との間に制動力を発生させて車を止めるわけですが、同時に、走行する車の持つ運動エネルギ(元は燃料エネルギ)を熱に変換し空気中に放散させる役割を持っています。ブレーキをかけたとき、車輪が回転していれば、熱のほとんどはブレーキ機構で発生します。しかし、車輪の回転が停止してロック状態になると、ブレーキ機構ではすべりがないため熱は発生せず、熱の全てがタイヤと路面との間で発生します。そのため、タイヤは局部的に摩耗することになります。こうして見ると、ブレーキの使い過ぎはタイヤやブレーキの摩耗を早めるだけでなく、エネルギの無駄遣いにつながることが理解できるでしょう。
少し難しくなりますが、普通のブレーキのかけ方では、ブレーキで発生する摩擦トルク(摩擦力にブレーキ有効半径をかけたもの)は、制動トルク(制動力にタイヤ半径をかけたもの)よりわずかに大きくなっています。このわずかな差のトルクによって車輪の回転速度は低下してゆきます。ブレーキをだんだん強くかけてゆくと、 タイヤと路面との間のすべりが適度な状態の時に制動カは最大になりますが、さらにブレーキを強く踏むと、車輪の回転を止める摩擦トルクと車輪を回転させる制動トルクとの差が大きくなって、車輪の回転速度が急激に減少し車輪がロックします。車輪を再び回転させるには、ブレーキを緩め、ブレーキの摩擦トルクを車輪ロック時の制動トルクよりも小さくしなければなりません。
少し難しくなりますが、普通のブレーキのかけ方では、ブレーキで発生する摩擦トルク(摩擦力にブレーキ有効半径をかけたもの)は、制動トルク(制動力にタイヤ半径をかけたもの)よりわずかに大きくなっています。このわずかな差のトルクによって車輪の回転速度は低下してゆきます。ブレーキをだんだん強くかけてゆくと、 タイヤと路面との間のすべりが適度な状態の時に制動カは最大になりますが、さらにブレーキを強く踏むと、車輪の回転を止める摩擦トルクと車輪を回転させる制動トルクとの差が大きくなって、車輪の回転速度が急激に減少し車輪がロックします。車輪を再び回転させるには、ブレーキを緩め、ブレーキの摩擦トルクを車輪ロック時の制動トルクよりも小さくしなければなりません。

タイヤと路面との間に生じる制動力は、図のようにタイヤと路面との間のすべりに比例して大きくなってゆきますが、あるすべりで最大値に達した後、それ以上のすべりでは減少して、ついには最大すべり状態すなわち車輪ロックに至ります。車輪がロックすると制動力は低下しますので、自動車をできるだけ短い距離で停止させるには、車輪をロックさせないように、タイヤと路面との間のすべりを適度な状態に保ち、常に最大制動力を得るようにブレーキのかけ方を調整するのが理想的です。このような調整を人間が行うには相当な熟練が必要になりますが、最近増えてきたアンチロックブレーキでは、タイヤと路面間のすべりを適度に制御して有効な制動力が得られるようになっています。