インタビュー第4回 自動車を夢見るすべての子供たちへの、最高の贈り物にしたい。
1 時代の変化と温故知新の融合~こうして燃料電池バイクは誕生した
2 ペダルを漕がず走る姿に驚嘆の声~年を追って進化する燃料電池バイク
3 経験は知識となり、次の目標を生み出す~論より証拠を見せつけろ

経験は知識となり、次の目標を生み出す~論より証拠を見せつけろ

実際に燃料電池バイクの製作に携わってきた生徒さんたちに、授業中の思い出や感想などをお聞きしました。
秋田大介くん

秋田大介くん

自動車科3年 秋田大介

授業の中では、佐藤先生の助手として全体をまとめる役割をしています。バッテリーのない状態でFCバイクに初乗りをしたのですが、水素で走っているという実感がありませんでした。坂を上るパワーもないし(笑)。

坂を上るパワーもないし(笑)。ですが、今は大丈夫、しっかりと走ってくれます(笑)。これからも燃料電池の構造を勉強して、自分の中の知識を増やしていきたいと思います。 そして、それを将来の仕事の中で活かすことができれば、最高ですね。


宇津木圭介くん

宇津木圭介くん

自動車科3年 宇津木圭介

印象に残っているのは、平成17年6月に京都国際会議場で開催された「ビバンタム・フォーラム&ラリー」に参加したこと。大企業や有名企業が出展していたのですが、あまりにも大規模なイベントだったので、逆に現実味が湧かなかったですね(笑)。

会場の駐車場内で、僕たちの作ったFCバイクの試乗会を行いました。この通り見た目は自転車ですが、性能は人を乗せて走るには十分なものだし、試乗した方々の反応も上々でした。 自分では大成功だったと思います。


水落悠也くん

水落悠也くん

自動車科3年 水落悠也

やはり「ビバンタム・フォーラム&ラリー」のときです。試乗した人の操作ミスで不調になったFCバイクのモーターをバラして修理したことが印象に残ってます。

あのときは、燃料電池車がどういうものか、自分の中でまだ整理できてない状態でした。だからもう必死で修理するだけ。 今から考えると、すごいことをやってたわけなんですが、その実感もなく、ただただ必死だったことを覚えています。 FCバイクの仕組みが分かってくると、もっともっと追求したくなってきますね。

環境にやさしい車両に関する国際的なイベント、ビバンタム・フォーラムの様子。

環境にやさしい車両に関する国際的なイベント、ビバンタム・フォーラムの様子。

私は、研究者よりも技術者、技術者よりも磨き上げた技を持つ<職人>に憧れを持っているんです。教科書には書いていない「理屈じゃない世界」でモノを作り上げ、「論より証拠」を見せつけるような人って、凄いじゃないですか。 実際私の周りには、学歴がなくても、自動車の「多様な世界」で活躍している、尊敬すべき人々が大勢います。

ですから、あえて自分と燃料電池とを結びつけ、将来の目標を口にするとすれば、「燃料電池のスタックから自動車の製作」までを、一人でこなせる男になりたいですね(笑)。

プロフィール

佐藤昌史(さとう まさし)

佐藤昌史(さとう まさし)

高等学校で教育課程の教鞭を取るかたわら、これに併設される「自動車整備・1種養成施設」の教員でもある。現在、座学では「自動車工学」他に「ガソリンエンジン」及び「電子制御式燃料噴射装置」トヨタプリウスを用いての「ハイブリッドカー」の実習を担当。

編集部から

宇津木圭介くん

番外編:学生さんの着ているつなぎのバックプリントには、誇らしげに大きく学校名が入っていました。

佐藤先生にインタビューをして感じたのは、モノづくりが本当に好きなんだなあということ。 ゼロから何かを作り出すというのは、とてつもなく大変な作業です。しかし佐藤先生は、その苦労を心から楽しめる人なのかもしれません。 知恵を絞り、自分の手先を使ってトライする。それは、まさに職人の世界です。

そうやって匠の技を追求し、極めようとする人が、学校の先生として子供たちを指導する。 己の技を極めることの面白さを、佐藤先生はこれからも生徒たちに伝えていくことでしょう。

佐藤先生の教え子たちが大人になったとき、彼らの子供たちにも、モノづくりの「心」を伝えて欲しいと思います。