つくば自動車走行データ収集・提供システムとその実験−新しい路車間通信仕様の応用−

(財)自動車走行電子技術協会(以下、自走協という)は、設立以来、自動車と道路間に情報交換手段(路車間通信)を設け、自動車交通の情報化を進め、それにより自動車交通の改善と自動車の利用環境を向上せしめることを目指して、通産省工業技術院の大型プロジェクト「自動車総合管制技術」の成果を基盤に、通信技術、マイクロエレクトロニクス応用技術、ソフトウェア技術等を総合的に活用するための研究とその成果を普及させるための様々な事業を進めている

これら事業の一環として、昭和60年3月17日から半年間にわたって開催された国際科学技術博覧会つくば '85(以下、科学万博という)に併せて、同博覧会関連道路を対象としたシステム実験を実施した。この実験のために、昭和56年以来の自走協の試験研究成果を集大成した「つくば自動車走行データ収集・提供システム(以下、つくばシステムという)」が建設された

この実験システムは、各種の技術的知見を得るとともに、科学万博に関連する道路の交通状況に関するデータを入手して、道路交通関係機関に有効に利用してもらうことを目的として計画・設計された。このつくばシステムを用いた実験は、自走協内に設置されたつくば実験小委員会の指導により実施された。本報告書は、実験とその成果を中心に、つくばシステム実験に至る研究経過や関連成果等を併せて報告するものである

なお、本報告書の「5.3.2.2 交信領域測定実験」に関する成果は、つくばシステムの路車間通信方式を定義している「路車間通信仕様書」及び「解説書」の保遣事項として位置づけられるものである

この実験システムは、道路上に建設し、多くの車両の動員を必要とするものであり、システムの建設、運転は、建設省、警察庁、運輸省はじめ多くの関係機関、及びこの計画にご賛同戴いたバスあるいはトラック関係機関、並びに協賛会社等から広範かつ多大なるご協力により始めて実施し得たものである。この場を借りて関係各位に対して深甚なる感謝の意を表したい

1.はじめに
2.研究の経緯と実験の概要
 2.1 試験研究の経緯
 2.2 つくばシステムと計画・建設の経緯
 2.3 実験の状況と成果の概要
3.路車間局地デジタル通信
 3.1 局地デジタル通信の概要
 3.2 局地デジタル通信の標準仕様
4.つくばシステムの概要
 4.1 つくばシステム実験の目的
 4.2 つくばシステムの設計方針
 4.3 システムの機能・構成
 4.4 要素機器の概要
 4.5 路車間通信仕様
 4.6 システムの整備とテスト
5.つくばシステム実験
 5.1 実験項目とその内容
 5.2 実施日程と体制
 5.3 実験の結果と考察
6.実験成果のまとめ
7.おわりに