ITSの社会的有効性に係るシステムの実証報告書(概要版)

プローブ情報システムは、自動車の持つ多数のセンサを利用して、自動車の走行状態、挙動や、周辺の自然環境に関する情報を収集し、これらを蓄積、加工して種々の情報サービスに提供・利用することを目指すシステムであり、ITSを発展させるための情報資源として期待されている。

プローブ情報システムの研究開発は、平成11年度から着手したが、平成12、13年度は情報資源の充実を目指し、情報化推進基盤整備事業(経済産業省委託事業)として、大規模実証実験による社会的有効性の検証に係る研究開発を推進してきた。

前年度(平成12年度)は、プローブ情報システムを構築し、実際にプローブ情報を収集/加工/提供し、技術的な実現性を実証した。成果としては、プローブデータを加工し、混雑情報、降雨情報、路面凍結情報としてインターネットを通じて提供し、その有効性を確認してきたが、混雑情報の基となるプローブ情報としての「旅行時間」精度の検証、プローブ情報システムの普及活動としての標準化推進が課題として残された。

本年度(平成13年度)は、前年度に構築したシステムに一部改良を加え、残された課題への対応を図るとともに、既存の類似システムとの連携のもと、一層の社会的有効性向上を基本目的とした研究開発を実施し、実験はUTMS協会との共同で行った。また、国際標準化活動を行った。

●目的 ITS発展の基盤である情報資源の充実を目指し、車両からの情報を活用したプローブ情報システムと他の公共あるいは民間の交通、運輸関連システムとの連携を図り、
(1) 円滑で効率的な自動車交通を実現する情報システムの一層の高度化を推進すること
(2) IT(情報技術)社会における新しいITS産業の創出に資すること
を目的としている。

●基本方針
本研究開発の基本方針は以下の4点である。
(1) 車からのデータ/情報を収集、蓄積、加工するプローブ情報システムは、平成12年度に基本的なモデルづくりを実施、平成13年度はそのモデルを改良し研究活動を継続する。
(2) 平成12年度に残された課題への対応を含め、プローブ情報システムの完成度を上げるため、UTMS協会や民間の類似システムとの連携を図る。
(3) 試験運用を通じて、プローブ情報システムの社会的有効性を実証する。
(4) 最終年度として継続的発展のさせ方、そのための要件、要望を明らかにする。

●今年度の研究開発の位置づけ
プローブ情報を実現するための要件としては、研究開発の他に、ビジネスの視点から見て、コストとのトレードオフを考慮した必要性能(精度)や、コスト回収の仕組み(ビジネスモデル)に関する検討等が必要である。本調査は、それらの課題を念頭に置きつつも、情報の社会的有効性に着目し、車から得られる走行環境情報の信頼性を確保するための方策を検討した。
また、プローブ情報システムの普及促進のために、標準化活動およびセキュリティ対策の検討を継続して実施した。
プローブ情報システムが有する可能性としては、120ものセンサ情報を有する自動車からデータを収集・蓄積・加工することにより、様々な価値ある情報を流通させることができる点があるが、今年度は、混雑情報の利用に関する制度の緩和機運等を鑑み、また、当面の代表的アプリケーションと考えられる、旅行時間情報に着目した検討を行った。

1.背景
2.研究開発の目的と基本方針
3.研究開発の構成
4.研究開発の内容
5.実施体制

第1章 プローブカーデータの解析及び情報抽出アルゴリズムの検討
 1.1 プローブ情報抽出アルゴリズムの考え方
 1.2 時空間上のプローブデータ取得方法
 1.3 プローブデータのクレンジング手法について
 1.4 プローブ必要配備台数とデータ記録頻度の分析
 1.5 旅行時間推計アルゴリズムの提案

第2章 既存システムとのインタフェース検討
 2.1 既存システムデータの評価
 2.2 既存システムとのインタフェース

第3章 試験運用(実証実験)
 3.1 実証実験実施計画
 3.2 実証実験システムの概要
 3.3 実証実験結果の評価

第4章 システムアーキテクチャ、標準化の検討
 4.1 国際標準化活動
 4.2 セキュリティ対策・個人情報保護

第5章 本研究開発の成果と課題
 5.1 本研究開発の成果
 5.2 今後の課題